大判例

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東京地方裁判所 昭和41年(ワ)5476号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(本件実用新案権ならびにその構成および作用効果)

一 原告らが本件実用新案権を有すること、本件考案が原告らの主張する(イ)から(ホ)までのことを要件として構成される電気かみそりであり、原告ら主張の作用効果を有するものであることは、当事者間に争いがない。

(被告製品とその構造)

二 被告が昭和四〇年から別紙目録記載の電気かみそりを製造し、「ダンディクールカット」という商品名で販売していること、その製品の構造が原告らの主張するとおりであることは、当事者間に争いがない。

(本件実用新案と被告製品との対比)

三 そこで、被告製品を本件考案と比較すると、被告製品における(a)、(b)、(c)、(e)の構造が本件考案の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ホ)の要件を充足するものであることは、当事者間に争いがなく、問題は被告製品が本件考案の(ニ)の要件を備えているかどうかということである。

この点につき本件考案においては、外部電源接続用コードのジャック部の着脱によつて交直の交換がなされるよう交直切換用接点の可動部分を外部電源受電用プラグに設けているのに対して、被告製品においては交直切換装置としては交直切換用スイッチを装備しているが、これは手動によつてスイッチを操作して切換を行うものであつて、外部電源接続用コードのジャック部の着脱によつて交直の変換をするものでないことは、当事者間に争いがない。したがつて、本件考案は交直の選択切換をジャック部の着脱を利用して容易にすることができてその操作が単純化されるという作用効果を有するのに反して、被告製品においては交直の切換は切換用スイッチの操作によつて行われるのであつて、ジャック部のプラグへの着脱は交直の切換に関与しないから、この着脱によつて交直切換操作の単純化をもたらすという効果も生じていないことが明らかである。

してみれば、被告製品は本件考案の(ニ)の要件も、これに伴う作用効果をも具えていないから、本件考案の技術的範囲に属しないものといわねばならない。

原告らは、本件考案は電気かみそりを交直両電源によつて使用できるようにした点に特徴があり、被告製品はその抵触を免れるための設計変更を加えたものにすぎないと主張しているが、本件考案が交直両電源を使用できるようにした電気かみそりにおいて特定の交直切換装置を備えることを要件としていることは前記のとおりであるから、原告らの主張するようにこの要件を無視して交直両電源によつて使用できるものでありさえすればどのような切換装置の電気かみそりでもすべて包含されるというように広く解する余地は全くない。(古関敏正 吉井参也 小酒 礼)

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